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My dearest pets |
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うしのような猫と、ゴマおはぎ色の猫の二匹です。 |
東京に来て、引越しを終えたばかりの休日。帰り道の公園で、聞き慣れない音がしました。民家の玄関前に目もあかないくらい小さい子猫が落ちて、一人で鳴いていたのです。
「ミー!」「ミー!」それがミーとの出会いでした。名前の由来は言わずもがな。片手で軽々持ち上げられて、肩に乗せながら連れ帰ったあの猫がまさかこんなに大きくなるとは。現在 体重7kg。そこら辺の小型犬より大きいです。
実家で見つけた、庭先に薄い毛布を掛けられただけの寒々しいケージの中、唯一寒さの防げるトイレの上で親猫と寄り添って震えている子猫。抱き上げたら、すぐにニャーと鳴き胸に頬をすり寄せてきました。それが「連れて帰って」とお願いされているように聞こえて保護することを決心。
その時期、わたしはポケモンをプレイしていて、捕まえた一匹一匹におにぎりの具で名前をつけていました。シャケ、シーチキン、たらこ…。などなど。その中の「とりごもく」という名前が当時の彼のお気に入りで、モンハン、二匹目のアイルーにも「ごもく」と付けていたのです。まさかそれがリアル猫になるとは。
仕事を頑張って自分を成長させたい。と強く思っていた私は残業もいとわなかったので、一人暮らしでペットを飼おうとはまったく思えませんでした。持て余して捨てたりするなんて言語道断ですし、誰もいない家にペットを残して、それが幸せなのかが分からなかったからです。
それなのに、ある日民家の玄関前に落ちていた猫を拾ってしまいました。当初はちょっと撫でて満足したら帰るつもりでしたが、その矢先に家主に鉢合わせしてしまい、怒られてしまったのです。
「その猫! どうするつもり!!?」
あとから分かったのですが、その家は公園が近いことから猫屋敷になってしまっているようで、わたしが猫を捨てていると勘違いしたよう。家主はなにか言いながら、家に入っていってしまい、猫を放置しずらくなってしまいました。
「…。よし、帰るか。」
そういって自然に猫を抱き上げ連れ帰ってしまいました。覚悟って数秒、ほんのささいな事で決まるのですね。
最初は里親を探すつもりでしたが、数時間面倒を見ていてたまらなくなり、名前をつけて飼うことに決めました。当時入社したばかりの会社は非常に理解のある会社だったのが良かったです。家賃補助があったので、ペット可の物件にすぐ引っ越すことができましたし、猫の赤ちゃんなのに時間差勤務を許してくれました。
目もあかないほど小さかったので、哺乳瓶でミルクをあげて、離乳食を食べさせて、ひとりで留守番できるようになるまでは動物病院に預けて。今まで感じられなかった「母性」というのを自分の中に見つけられたのも大きな発見でした。
それから3年ほど立って、新たに増えた家族が「ごもく」です。その時に住んでいた物件はペット1匹まで。これまたもちろん飼う予定はありませんでした。
家に連れ帰るときは、先住猫と仲良くやってくれるか不安でしたが、初日からベッドに居座るなどあの日からは想像もできない豪胆さを見せつけてくれ、なかなかうまくやってくれているようです。
多頭飼いは今までよりも刺激的で、猫それぞれの個性が見えて毎日がさらに楽しくなりました。さすがに3匹飼えるほどゆとりはないので、これ以上、猫を飼うことはしないように道端を歩くときは気をつけています。
でも、たまに、また哺乳瓶でミルクをあげて育てたいな…。と思うときも。おっと、いけない。いけない。